春合宿 明神岳東稜(2,889m)
2017年4月29日~30日
メンバー:CLひでちょ、SLひーちゃん(記)、のりさん、まいこ
コースタイム:
4/29 アカンダナ駐車場4:50 ― 5:30上高地5:50 ― 6:40明神館7:00 ― 11:30ひょうたん池着(幕営)
4/30 3:30起床 ひょうたん池5:45 ― 7:00第一階段取付 ― 第一階段1P途中撤退8:00 ― 9:00懸垂下降開始―10:00宮川のコル ― 12:00明神館 ― 15:00上高地
4/29 GW初日、アカンダナ駐車場で始発のバスに乗り込んだ。平湯でほぼ満車になり上高地に到着。さすがに上高地バスターミナルは既に人がわんさかいた。明神館で小休憩を取り、いよいよ明神岳へ。今の晴天からは考えられないが、その時点で“15時から19時の荒天に雷の予報”と、“前日の白馬大雪渓での雪崩事故情報”は得ていた。明日のアタックを考えると出来る限り進んで幕営をしたいのはやまやまであった。しかし、ニュースが騒いでいるまれに見る荒天だ。尾根での幕営は危険である。ただ、明日午後に下山となると、奥明神沢の雪崩リスクも格段と上がる。大変悩ましい状況であった。
宮川に詰める沢に沿って登り始めると間もなくアイゼンが必要となった。数日前の新雪は約15センチ…。小さな沢筋でも小さな雪崩跡がそこかしこにあった。雪はまだ締まっており歩きやすく、順調に高度を上げる。宮川のカールで後から来た3名パーティーに追い抜かれる。同じく東稜を目指しているとの事。天気も良くカールは素晴らしい景色であったが、私達は距離を空け雪崩に注意しながら慎重かつなるべく早く歩いた。初夏の暑さで雪はみるみる湿ってぐずぐずになってきた。カールの右端を詰めるとひょうたん池に到着。池といっても今はたっぷりの雪の中のくぼ地なだけであるが、テン場としては雪崩の心配も無く暴風も避けられる好適地であった。前のパーティーが尾根の岩の前でてこずる姿が見えた。少し心配になった。
到着は昼、時間はたっぷりある。晴天の中、念入りにテン場を整備した。のりさん力作のトイレも完璧。早~い夕食を食べる頃には少し吹雪いてきた。雷は間近で4度鳴り響いた。登山暦の長いひでちょもこの時期に山の上で雷を聞くのは初めてとの事…。明日の行動を話し合いながら、少し飲んでそうそうに眠る。深夜は降り続く雪や強い風をテント越しに感じながらあまりよく眠れなかった。
4/30 早朝、空は降り注がんばかりの星空で天の川も濃い。夕べからの降雪は15センチほどあり、まだ寒く無風、雪は締まっている。CLの判断はアタック決行。しかし進退窮する前に再度検討する。との事。皆で気合を入れ出発した。
ナイフリッジ手前で本日初のクレバス。跨いだ後の足元はざらざら崩れなかなかアックスも効かず、かなりてこずり這い上がった。ナイフリッジをしばらく進むと第一階段取付き。少し風が出てきた。のりさんがフリーでミックスの草付をやや右に慎重に進む。左の岩には残置のザイルがずっと上から続いていた。のりさんを確保するため、ナイフリッジを右に外れ切れ落ちた雪壁側に3歩トラバースし木の根の残置にセルフをかけるまでがとても緊張した。支点を探し草付を左へトラバースしたのりさんが岩場をずり落ちる音がした。新雪で実際のルートが良くわからなかった。
雪はどんどんぐずぐずに、風は強く寒くなってきた。まだ1P目…午後からの荒天予報と時間切れにより、本日の行程を安全に終了は困難と判断、木から木へ懸垂下降で下山開始。ダブルロープをつないでほぼいっぱいいっぱいの懸垂を2.5回、最後はシリセードで宮川のカールを下った。
初日の幕営地・撤退などは荒天など全てを考えると良い判断であった。荷物の軽量化もしくは空荷でのアタックを検討する必要。ぜひリベンジしたい。